不妊治療からの妊娠、そして高齢出産を控えている方へ。
お産は命がけ。それを我が身で体験した記録と「やっておいて良かった~」というリスクヘッジを紹介します。
破水からの計画入院
友人に「反復横跳びしたら陣痛来たよ!(←迷信)」と聞いたわたしは、昼と夕方そして寝る前に反復横跳びを10回3セット実践したところ、その日の夜中になんか違和感があり、トイレへ。
ナプキンには先ほどと同じような少量の凝固した血液とピンク色のさらさらした水っぽいものがついていました。「これ確実におしるしな気がする」とナプキンを変えてもう一度寝床へ。
ナプキンにはこれまでのような出血はなく、ピンクにもなっていない水っぽいものだけを大量に吸っていました。
「…もしかして破水???」
「えっと、、、破水ってびしゃーって出るんでなくて?」
「え?さっきのピンク色のさらさらしてた水っぽいものも、もしかして破水?」
朝方ひとりでパニックです。
前期破水による子宮内感染を予防するため抗生剤投与(点滴)開始。破水が止まりません。
陣痛が5分刻みになるまで陣痛室には移動できないため、病室でひたすら我慢。羊水がどんどん流れていきますが、念のためにと多めに用意していた産褥パッドが活躍しました。
翌朝に陣痛促進剤を使って陣痛を誘発することになりました。
陣痛室以外は付き添いNGのため、このあとひとりで不規則な陣痛と夜通し戦い続けます。 参考 陣痛誘発MSDマニュアル家庭版
陣痛促進剤を使って陣痛開始
陣痛室に移動して、オキシトシンという促進剤を使うことに。精密持続点滴装置という薬液量を厳密に調整していく装置を使い、最小量から30分ごとに増量していきます。
とりあえず「力んだらダメ!」「呼吸法でイキミを流せ!」と聞いていましたので、実践するものの、子宮口はまだ開き切りません。
(陣痛が長くなる人もいてるので、絶対食べておいた方が良いです)
痛みを我慢してると呼吸を止めてしまいがちになります。
息を吐くことに集中したら吸うのは勝手に吸ってくれるらしいので、吐くことに集中しようとするものの、痛みが勝って呼吸が難しくなり、もうこれ叫んだ方がうまく息が吐けてイキミを流せるんじゃないかと実践。
タオルで口を押えながら、「ぐぁゃぁぁぁぁ」とか「がぁぁぁぁぁ」とか意識して大声を出して叫びだすと、イイ感じにイミキ流しができてきました。すごい効果。恥ずかしさは捨ててください。
また助産師さん直伝の陣痛がきたら「尻の穴をものすごく強く押す」というのを、付き添いしていた夫に実践してもらっていました。これめちゃくちゃ効果があって、本当に助かりました。
その後「わたしの雄たけび」&「尻の穴を押す」という地獄絵図が続きます。
- 「雄たけび」&「尻の穴押す」
- 水分補給(ポカリ)
- アロマオイルを染み込ませたタオルに顔を埋めてスーハースーハー心を整える
ひたすら我慢我慢我慢で、1~3を無限ループです。
そしてついに、「もう無理!」「イキみたくて仕方がない!」という状態になります。
というか「うんこしたい!」状態になりますが、この時点ではしゃべることすらできません。しゃべれて一言二言です。「うんこ」「したい」「ムリ」これで助産師さんに伝わりまして、子宮口チェックOKが出て分娩室へ。
スムーズどころか、さっさと出してしまいたい!と頑張りすぎてしまい急速に進んでしまいました。これが後の出血過多の要因のひとつになるとは思いもしなかったわけです。 参考 分娩時の子宮からの出血過多MSDマニュアル家庭版
胎盤がはがれない?3000mlの出血
子どもは元気に泣いている声が聞こえましたが、わたし自身の処置は一向に終わらず、それどころか応援を呼ばれて、わたしの周りの医師や助産師さんの人数が3人から6人くらいに増えました。
どうやら胎盤が出てこないみたいで、癒着胎盤のようでした。子宮内で何か引っ張られるのが分かるのですが、これが激痛で分娩より痛い。なかなか剥がれるまでに時間を要してしまい、さらなる出血過多の要因のひとつとなりました。
さらに子宮収縮が弱く、血が止まらないとなり、子宮内にバルーンを入れられ止血しました。兎にも角にも出血が多くあたりは血の匂いが充満しています。
この時、わたしはぐったりしてましたが、分娩で疲れたのか血が足りなくてぐったりしてるのかよく分かりません。
そこに担当医から「出血量が多いし輸血した方がしんどくないけどどうする?」と判断を仰がれました。
参考 分娩時大量出血今日の臨床サポート輸血する?しない?
輸血にもリスクは少なからずあるし、しなくてもいいならしたくないなという思いと、3000mlの出血があると聞いても、ピンと来なかったのが理由で、
「輸血やめときます」
そう判断してしまいました。
その後、MFICU(母体胎児集中治療室)に運ばれ、取り急ぎ鉄剤を投与。
この時点でヘモグロビン値は5。寝て起きたら7くらいになってたりしないかなと(絶対ならないようです)私の細胞頑張れって応援しながら寝床につきます。
そして、翌朝の血液検査でヘモグロビン値は5.1。(でしょうね)
ベッドから起き上がれない理由が貧血のせいだということにやっと自覚をして、「輸血します」となりました。
なんというか、、、最初っから輸血しておいたら良かった。。。
リスクヘッジを優先した病院選び
ここまでの大変なお産は想定外でしたが、
高齢出産のリスクに備えて、あらかじめヘッジをしていました。
それが分娩する病院選びです。
本当はご飯が美味しくて、キレイな室内で、全個室になってて、産後のエステなんかもついてたりする個人の産院とか憧れていましたが、万が一に備えてNICUやMFICUがある大学病院や母子医療センターのような三次救急の医療機関を選びました。
三次救急の産科となると既往症などから出産時のリスクがある妊婦さんが、産院や病院の紹介を受けて来るケースや、出産時のトラブルがあり産院から産後緊急搬送されてくる人が優先されますので、始めましてでは選びにくいところがあります。
ただ、わたしのように不妊治療で妊娠をした際は、不妊治療の病院が希望の産院への紹介状を書いてくれますので、三次救急の病院でもスムーズに分娩予約ができるケースが多いかと思います。
※三次救急医療機関となると感染症患者の受け入れをしているため、通院時の感染リスクという別のリスクもありますので、天秤にかけて産院選びをおこなってください。
まとめ
100人いれば100通りあるお産。
最悪のケースを常に想定していた我が家では、結果無駄な準備も多かったのですが、この体験記がこういうケースもあるのねって、誰かの参考になったらいいかなと記憶があるうちにまとめました。
- 大量出血したら輸血は迷わずにYESということ
- アロマオイルが染み込んだタオルを用意しておくこと
- 産褥パッドは多めに用意しておくこと
- 不安があれば救急医療機関を選んでおくこと
お産ってマジで命がけ!